院長コラム(産業医として)

2016.03.01更新

自然も人間も来たるべき本格的な春に向かって
準備の時期である3月となりました。皆さんお元気ですか。
今回は、健康診断の最終回です。
残っていた、心電図とレントゲンについて、お話しします。
まず、心電図ですが一般に心臓を12の方向から電気的に見ています。
それぞれの方向の波形の総合によって、診断します。
主に、2つのことに注目して見ていきます。
1)波形
 波形の異常により、心筋の状態や心臓の大きさが解ります。
2)リズム
 いわゆる、不整脈の診断を行います。
この2項目をもって、心臓の状態を判断します。

狭心症、心肥大、心不全 等は波形の総合で診断します。
心房細動、期外収縮、脚ブロック 等はリズム異常で診断します。

次に胸部レントゲンについてですが、
これはエネルギーの強い電磁波の透過性における強弱をフィルム上に感光させて診断します。
透過性が良い組織や状態でより黒く写ります。
健康診断での胸部レントゲン検査では、主に感染症、特に結核および腫瘍類の早期発見が目的となります。

以上、ざっとですが健康診断項目の意義と目的についてお話ししました。

投稿者: 医療法人社団小田グループ 小田内科クリニック

2016.01.01更新

明けましておめでとうございます。
はや、開業してから5回目の新年を迎えることとなりました。今年も初心を忘れず皆さんと伴に健全な医療を推進していく所存です。
さて、健康診断の項目は前回までの血液検査が終了し次の尿検査に移ります。
尿検査については主に尿中に含まれる異常成分の検出となります。

(1)タンパク: タンパク質は腎臓の尿細管というところから、体内に再吸収されるので尿中に検出されると、異常ということになります。
高血圧症、ネフローゼ症候群、各種腎臓病、糖尿病などで検出されます。
しかし、激しい運動後や高熱を伴う感染症などでも軽度みられることがあります。


(2)糖: 糖もまた、尿細管で再吸収されるので検出されたら異常ということになります。代表的なのは糖尿病です。
しかし、血液中の糖は高くないのに尿に糖が検出される場合があります。
これは、尿細管での糖の再吸収の閾値が低いために糖が尿にでることがあり腎性糖尿病といって、真性の糖尿病とは区別されます。


(3)血液: 腎臓では、血液中のいらない成分を分離濾過して外に排出するのが本来の機能ですが、その血液そのものが外に出るということは、異常であることは解ると思います。
したがって、尿を作り排出するというすべての過程で関与する血管のなんらかの破綻が原因であり腎性、腎後性(尿管や膀胱)での精査が必要となります。


以上、代表的な3種類の成分を上げましたが、その他ケトン体、ウロビリノーゲン、沈渣なども調べることがあります。次回は胸部レントゲンと心電図についてお話しします。

投稿者: 医療法人社団小田グループ 小田内科クリニック

2015.11.01更新

秋も深まり、朝夕は寒さを感じる季節となりました。皆さんお元気ですか。

さて、今回は脂質系についてお話しします。

総コレステロール(T-ch)、中性脂肪(TRG)、善玉コレステロール(HDL-ch)、悪玉コレステロール(LDL-ch)等は
血液中の脂質を示しています。

総コレステロールが高いと良くないといわれますが、一概にそうとも限りません。
総コレステロールは善玉コレステロールと悪玉コレステロールの総和とほぼ等しいので、
総コレステロールが高くてもその中の善玉が多ければさほど問題がなく、
悪玉の比率が多い場合の高コレステロールが問題となるわけです。そこで善玉であるHDL-chを調べるわけです。
悪玉コレステロールの比率が高いと、全身の血管の動脈硬化を促進し様々な病気の原因となります。

成人病の原因のほとんどは、この血管の動脈硬化が主たる原因であります。
たとえば、高血圧症は全身の血管が硬くなって、あるいは内腔がせまくなって、血管内圧が高くなることによって生じてきます。

また、心筋梗塞や脳梗塞、脳出血なども血管が詰まったり、血管がしなやかさをなくすことで、破綻することにより生じます。

いっぽう、動脈硬化そのものが、病気かと言えばそうでもないのです。血管の硬化は年齢とともに進化するもので、加齢変化ともいえます。
したがって、いかに動脈硬化を遅らせるかが長生きの秘訣であるといえるでしょう。

投稿者: 医療法人社団小田グループ 小田内科クリニック

2015.09.01更新

皆さんこんにちは。
今年の夏は異常に暑かったうえに、大型台風にも見舞われ健康にも、日常生活でも大変だったことと思います。
さて、前回からの健康診断結果の意味についての続きです。
今回は、クレアチニン(Cr)と遊離窒素(BUN)から始めていきます。
クレアチニンは、主に筋肉の分離物(代謝物)で腎臓から排出されます。
これが、血液中に多いと腎臓の機能が低下している証拠となり、したがって腎臓機能を反映することになります。
この値が大きい→腎臓からの排泄が減少→腎機能の低下ということです。
遊離窒素は主にタンパク質の分解物のひとつで、同様な理屈で血液中の値が大きいと腎機能の低下が疑われます。
次に、アミラーゼという酵素がありますが、これは主に膵臓と耳下腺から分泌されます。これが上昇していると、膵炎や耳下腺炎が疑われますが、さらなる検査が必要となります。
以上が、一般的な臓器のスクリーニングとして意味を持つ血清検査です。

投稿者: 医療法人社団小田グループ 小田内科クリニック

2015.07.01更新

皆さんお元気ですか。
だいぶ、間が空いてしまいました。再び2ヶ月に1回のペースで再開したいと思います。
それでは、前回の続きをお話しします。

健康診断で

今回は血液の液性成分についてお話しします。液性成分と言っても、血液はすべて液体の様に見えますが、その中には前回お話ししたように固形成分が多く含まれています。しかし血液の大半は血清という液性成分がほとんどを占めています。
血清は血液を遠心分離したその上澄みの液体部分を言います。その中には、酵素・免疫のタンパク・アルブミン・糖・脂質・電解質等があり、健康診断で血液を採って調べる項目はこの血清を材料としています。
健康診断の用紙を用意してみてください。項目の中にGOT,GPT,γ-GPTという項目があると思います。これらはいずれも肝臓及び胆道に多く含まれる酵素です。これらの上昇は肝臓あるいは胆嚢の異常を示しています。
次に、総コレステロール(T-ch)、中性脂肪(TRG)、HDL-ch等は血液中の脂質量を示しています。
総コレステロールが高いと良くないといわれますが、一概にそうとも限りません。総コレステロールは善玉コレステロールと悪玉コレステロールの総和とほぼ等しいので、総コレステロールが高くてもその中の善玉が多ければ問題がなく、悪玉が多い場合の高コレステロールが問題となるわけです。そこで善玉であるHDL-chを調べるわけです。悪玉コレステロールが高いと、全身の血管の動脈硬化を促進し様々な病気の原因となります。

投稿者: 医療法人社団小田グループ 小田内科クリニック

2014.08.01更新

梅雨も明け、蝉の声が、祭りのお囃子に隠し味のように溶け込む季節となりました。
皆さんいかがお過ごしですか。
さて、健康診断の結果も皆さんの手元にかえってきている頃だと思います。
今回から、その健康診断結果の見方についてお話ししたいと思います。
健康診断は、大きく分けて7つぐらいに分類されます。


①問診:今までに罹ったことがある病気について聞きます。現在何か症状があるか聞きます。
②理学的所見:実際に聴診器をあてて、心臓の音や肺の音を聞きます。血圧を測ります。
③血液検査:貧血・肝機能・腎機能・脂質・血糖値
④尿検査:蛋白・血液・糖などが出ていないか調べます。
⑤胸部レントゲン写真:主に肺に病気がないか調べます。心臓の大きさを見ます。
⑥心電図:心臓に病気がないか調べます。
⑦オージオ:難聴があるか無いか調べます。


問診は聞くことによって、その他の検査上で特に注目しなければならない検査項目がわかります。
例えば、以前結核になったことがある人は特に、胸部レントゲン写真に注目し再発していないかどうか見ます。
肝炎にかかったことがある人は肝機能に注目します。
次に、理学的所見については、聴診器が主体であるため心臓については雑音の有無と心拍のリズムを聴き正常か異常かをみます。
また、肺に異常な呼吸音がないかを聴きます。
血圧は高血圧の有無を調べます。以上は、直接皆さんから情報を取る検査です。
③から以下は次回に詳しく説明しましょう。

 

投稿者: 医療法人社団小田グループ 小田内科クリニック

2014.05.01更新

「目には青葉山ほととぎす初鰹」夏の便りが届き始める、カツオのおいしい陽気ですね。
今年はあいにく不漁とのことですが、皆さんお元気ですか。
 さて、健康診断は事業所によって四月、七月、九月と行われる時期こそ違え、毎年行われます。年中行事としてなんとなく受けている方もおられると思いますが、そのような方は、実はかなり幸せな方だと思います。健康である証拠でもあるからです。
 しかし、そのような方でも健康診断の結果をみるときは、学校の試験の点数をみるときのように少しどきどきするのではないでしょうか。
 百点=すべて正常ならよいのですが、なかなかそういうわけにもいかないようです。一つや二つは、異常値があるのがふつうです。そのとき、その異常値が自分の健康にとってどういう意味があるのだろうということがなかなかわからないと思います。

 健康診断は、企業においては年最低一回以上はすることが義務づけられています。しかもする項目も定められています。しかし、法律にあるから健康診断をするのではなく「健康に配慮して事故なく就業させる」義務が雇用者側にあるからです。
 このことは、被用者・雇用者双方にとってメリットがあるばかりか、社会的にも疾患の早期発見と早期治療につながり、医療費の節約、早期の就業復帰が促進され労働力の確保が容易になります。
 従って、健康診断は自分のためだけではなく家族のため・会社のため・社会のためでもあるのです。皆さん喜んで健康診断を受けましょう。

投稿者: 医療法人社団小田グループ 小田内科クリニック

2014.03.01更新

皆さんお元気ですか。
今回は、生活習慣病の第2回として糖尿病のお話をしたいと思います。
前回の高血圧症は、重大な病気になる前段階であるということでしたが、今回の糖尿病は病という名の通り、一人前の病気です。
「糖尿病」という名前から、尿に糖が出る病気であると理解しておられる方が多いと思います。でも実は尿に糖が多く出ることがこの病気の本質ではなく、血液中の糖がいつまでも下がらずに、だらだらと高い状態が続くことにあります。
「血液中の糖を下げる力が下がり、その結果血糖値が高い状態が続く。」
これが、糖尿病の本質です。
それでは糖を下げる力とは何でしょうか。それは糖をエネルギーに変えて消費すること、すなわち(1)ホルモンであるインシュリン(膵臓から出ています)が血液中の糖を細胞内に取り入れ(2)細胞内に入った糖をエネルギーに変換して消費する、この2つの過程が血糖値を下げる主なる力です。
インシュリン自身が糖を下げるのではなく糖を消費させるために、細胞内に糖を取り入れるのが、インシュリンのやくめです。
この2つの過程が低下すると糖尿病になると考えてもらって良いと思います。
(1)インシュリン量の低下→糖が細胞内に取り込めない。→細胞内で糖を利用できない→血中の糖が増加する→糖尿病となる。
(2)運動しない。→エネルギー消費の低下→消費の低下にかかわらず糖を多くとる。→過分な糖が血液中に残る。→血液中の糖が上がる→糖尿病となる。
このような図式が、考えられます。

投稿者: 医療法人社団小田グループ 小田内科クリニック

2013.11.01更新

皆さんいかがお過ごしですか?
今回から「成人病=生活習慣病」に入りたいと思います。
<高血圧症について>
病名はその病気の特徴をよく表しています。この「高血圧症」もその名の通り血圧→高いとなります。また「病」を使わず「症」という字をあてているのにも意味があります。
そうです。「高血圧」は、一般にいう病気とはすこしちがうのです。高血圧症のほとんどは「ある一定の年齢に達すると徐々に血圧が上がってくる体質」が原因となっています。医学用語では「本態性高血圧症」といいます。高血圧体質の原因には、遺伝的・習慣的・環境的要素があげられます。
これらの要素が、複雑に絡み合って中年以降にいわゆる「高血圧症」となるのです。この段階ではまだ病気とはいえません。血圧が高い状態を放置して、全身の血管や心臓に負担をかけ続けていると本当の病気である、脳出血・脳梗塞・狭心症・心筋梗塞・腎不全等の恐ろしい病気に進展していくことになるのです。
よく患者さんで「血圧の薬を飲み始めると一生飲まなくてはならないのでイヤダ!」と言われる方がいます。しかし、高血圧は「症」であって「病」ではないのです。前述のような本当の病気にならないためにも、病気以前の体質改善のために薬(降圧剤といいます)が必要な人は飲むように勧めます。
もちろん、生活習慣における改善も必要です。

(1)塩分を控える(薄味に慣れる)
(2)寝不足やストレスをさける。
(3)たばこ・コーヒーをとりすぎない。
(4)適度な運動をする。

といったことはみなさんもよく聞くことと思います。血圧を正常に保つということは、血管を健康に保つと言うことになります。血管の健康はすべての臓器を健康に保つ必要条件と言えましょう。

投稿者: 医療法人社団小田グループ 小田内科クリニック

2013.09.01更新

皆さんこんにちは。
今年の夏は、だらだら暑い日が続いています。これも温暖化のせいでしょうか?
さて、前回までで産業保険の概要を説明しました。要約すると、労働者は仕事にかかわる時間は家での時間よりずっと多く、生活習慣は、仕事場およびその関連において形成されることとなります。
そこで、仕事場の環境整備、仕事の内容とその仕方などが、健康管理には重要となるのです。
これらをよりよいものとして健康増進に資していくのが産業保険の目的であります。
前回まで、主として環境整備を中心として説明してきましたが、仕事の内容・仕方については例えば、鬱から仕事復帰するときのリハビリスケジュールの作定などがあります。
また、残業時間がある一定の時間を超えると本人と面談して、健康状態の把握と残業時間を減らすよう、勧告したりします。
このように個々個人との対話と相談が重要な一面もあります。

以上、6回にわたって産業医の概要を説明してきました。次回からはUpdateな話題を含めて、生活習慣病についてお話していきたいと思います。

投稿者: 医療法人社団小田グループ 小田内科クリニック

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